隙間に消えた猫
昼休みに職場近くをぶらぶらと歩いていたら、前方から猫が歩いてきた。
獲物が自ら飛び込んでくるなんて、なんだか得した気分だー、と大喜びでカメラを構えたのだが、妙な雰囲気を察したのか、軽快に歩いていた猫はふと足を止めるとこちらを見ていた。
重くなるのを嫌って、望遠のレンズを置いてきてしまったことを後悔した。
広角のレンズしかもっていなかったので、あまり猫を大きく撮ることができない。
逃げないでー、と祈りながら、じりじりと猫に近寄って行ったのだが、焦ると気持ちも猫に伝染してしまうらしい。
猫はしばらくこちらの様子を伺っていたが、手前の隙間にひょい、と入っていってしまった。
あぁ待って、と叫んでも後の祭り。
猫は人間が絶対入れないと思われる隙間を悠々と歩いて消えていった。